健康経営に取り入れたい「コンディショニング」という考え方。
健康経営に取り組まれる一番の目的は「従業員の健康増進」であることが多いのではないでしょうか。
その目的を達成するために、様々な施策に取り組まれている企業が多いと思います。
今回は健康経営に取り組まれている企業にこそ、取り入れていただきたい「コンディショニング」という考え方について説明をしていきます。
健康経営施策に取り組むうえで、この考え方を取り入れると、すでに取り組まれている施策が一貫したものになります。
まだ健康経営に取り組んでいない企業様にとっては、これから取り組む施策がより効果的なものになると思います。
では、早速はじめましょう。
健康経営という取り組みは、導入後すぐに結果が出るものではありません。それとは反対に、導入後、止めることなく運用し続けなければいけないといえます。
なぜならば、人の体調は常に変化するからです。当たり前のことですが、不調や好調などの状態が続くということはありえません。不調、好調を繰り返し、日々過ごしています。
このことを踏まえると、「不調、好調になったとしても、体調を整えることができるようになる」ための施策が重要になってきます。
この不調、好調といった体調を整えるための方法論を「コンディショニング」といいます。
コンディショニングという言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、曖昧な言葉でもあると思いますので、定義を統一したいと思います。まず、辞書では、このように書かれています。
コンディション・・・ 状態。調子。事情。
コンディショニング・・・調整。調節。特に、運動選手が体調を整えること。
広辞苑第七版より引用
「コンディショニング=体調を整えること」でも十分良いと思うのですが、僕はコンディショニングを「目標となる体調と現状の差を明らかにし、その差を埋めるための行動」と定義しています。
なぜかというと、体調を整えるために、闇雲に運動や休養をとったところで結果が伴うとは限らないからです。体調を整えるためには、整った状態や現状を明確にした上で、行動をすることが大切なのです。
では、コンディショニングという考え方を健康経営の中に取り入れるかを説明しています。コンディショニングには「目標設定」「現状把握」「アクションプランの作成と実行」という3つのプロセスがありますので、参考にしてみてください。
まず、はじめに「目標設定」をします。
これは健康経営施策において、従業員の方がどのような状態になるかを明確にします。コンディションは個別な問題ではありますが、会社組織全体として、どのような体調で働いてもらいたいのかを考えるとよいでしょう。
次に、「現状把握」をします。
これはその名の通り、従業員の体調の現状把握をします。ゴールとして設定した状態に対して必要な情報を集めます。例えば、「不調の有無」や「睡眠の質」、「メンタルチェック」「姿勢や動作評価」などです。
最後に、「アクションプランの作成と実行」です。
ゴール設定と現状把握をすると、必ずその間にギャップが見つかります。それを埋めるためのアクションプランを作成し、実行します。
例えば、下記のようなケースがあるとします。
ゴール設定:従業員の肩こりや腰痛などを無くして、ストレスなく働いてもらいたい。
現状把握:従業員の姿勢が悪く、肩や腰に負担がかかっている。
この場合のアクションプランとしては、「姿勢改善のためのストレッチの実施」になるかもしれません。
ここまでご紹介した3つのプロセスを行うことで、組織としてコンディショニングができるようになります。そして、この考え方を適用すると、違う課題が出てきたときにでも対応できるようになります。
さらに、コンディショニングとは考え方のことなので、このプロセスは従業員の日々の健康管理にも活用することが可能です。
つまり、コンディショニングという考え方を導入すると、健康経営が効率的になるだけではなく、従業員の健康管理のスキルの向上にもつながり一石何鳥にもなる考え方です。
健康経営に取り組まれている企業様は、ぜひ取り入れてみてください。